（雑おすすめ漫画17日目）IZUMO -猛き剣の閃記-

雑おすすめ漫画 Advent Calendar 2016 17日目

15日分から止まってしまっていたので11日分一気に更新

「IZUMO -猛き剣の閃記-」（全1巻）。

最初に言っておきますが、これはゲテモノ食い的なおすすめなので購入は注意です。

同名のエロゲー原作のコミカライズなのですが、この手のものではかなり珍しい「ゲームの原画＝漫画の作画」という体勢のものです。
エロゲー原作に限らずコミカライズものは絵柄の似たアンソロ作家とかが担当して当たり外れが激しいという雰囲気の中、かなり理想的な布陣……に一見思えるのですが……。

本作はその「ゲームの原画＝漫画の作画」という体勢で生じる「ゲームの原画に求められるノウハウ≠漫画の作画に求められるノウハウ」という不整合に全く対策をせずに見切り発車しているような印象の作品で、なんというか「漫画としてヤバい」なかなか希有な作品になっています。

手っ取り早いところではよくありがちな「髪の色がつかないとキャラの見分けがつかない」問題をドンピシャで引いていたり


なんというかゲームっぽい感じそのままの一枚絵はなかなか貴重なんですが……トーン使いすぎて何処に注目するやら。


「ゴゴゴゴ」写植で表現するん！？あと悲鳴雑すぎない！？


わかりづらいのはさておき迫力がなくてつらい戦闘シーン。


だから悲鳴ワンパターンすぎない？


「ぐすっ」って……。


とにかく色々と表現に違和感がありすぎて話が入ってこないのと、そもそも1巻というボリュームに対して長すぎる原作を高速でなんとかあらすじなぞってるという感じのわけのわからなさが相まって、「なんだこの漫画……」となること請け合いです。

一応言っておくと、少なくともキャラ・絵をかわいく美しく描こうという点での頑張りは感じられるんですが、その他のなにもかもが色々な力量不足を示している感じです。

そんな作品なぜ推すかというと、
「キャラの区別がつかん」
「漫画的に洗練されていない表現」
「尺に対して話が壮大すぎてぐちゃぐちゃ」
……という、なんというか漫画を「描く」場合に生じがちな問題の反面教師的な読み方が出来る希有な作品であると思うので……。

漫画描いてる人とかにおすすめです（ななめ上だ……